「なあ、おかん。
何で皆、
『彼女、つくればいいのに』
とか、言うんやろな」
長男の太郎ちんが、
レモンをひとつ分絞り入れた
氷水に口をつけながら
面倒くさそうに言いました。
「昨日、Kにも言われてよ」
「へえ」

≪Kくんは、どう思っただろう≫
洗剤のついたスポンジで
グラスを擦りながら思いました。
幼馴染みの太郎ちんに、
「『あいつ』を超える女の子が
居てへんからな」
と言われた時も。
「『あいつ』ほど、
抱き心地の良い子は居らん」
と言われた時も。
「早くいっちゃったからな」
と言われた時も。
「『あいつ』だけや、
この俺を『赤ちゃん言葉』に
したのは」
って言われた時も。
『あいつ』が、
一年ほど前に、たった3才で
この世から走り去った
我が家の愛犬つまみ(♀)の事だと、
Kくんが気づくのには、
ちょっと間が必要だったかも
知れません。

「自分の時間、自分のリズムを
こよなく重んじて、
(仕事以外では)
友達も友達以上も、
その時間を割いてでも
付き合いたい相手と思わなければ、
新たな繋がりを増やさない」
その代わり、
「『彼女』の事は、
まるでプリンセスのように
大事に大事にする」
そんな我が息子は、
もしかしたら、
わたしに似たのかも知れません(笑)

本日の合言葉
「繋り」